日本における臨済宗
当ホームページを運営する傑山寺は臨済宗(りんざいしゅう)であり、仏教の中の禅宗に属します。
宗門では、ゴータマ・シッダッタの教え(悟り)を直接に受け継いだマハーカーシャパ(迦葉)から28代目のボーディダルマ(菩提達磨)を得てインドから中国に伝えられたということになっています。 禅宗(仏心宗、達磨宗とも呼ばれる)は中国で起こり、発展し、やがて日本に伝来された仏教の一宗です。日本に伝わった禅宗には臨済宗、黄檗宗(おうばくしゅう)、そして曹洞宗(そうとうしゅう)があります。
臨済宗や黄檗宗は、お釈迦さまの正しい教え(正法)をうけつがれた達磨大師(初祖)、臨済禅師(臨済宗祖)や、隠元禅師(黄檗宗祖)、さらに禅を日本に伝来された祖師方、そして日本臨済禅中興の祖・白隠禅師(はくいんぜんじ)から今日にいたるまで、「一器の水を一器へ」移すがごとく伝法された一流の正法を教えとし、我々に本来そなわる尊厳で純粋な人間性(仏性[ぶっしょう])を、坐禅・公案・読経・作務などの修行を通して、自覚(見性)することを旨とする宗派です。
同じ禅宗の曹洞宗が地方豪族や一般民衆に広まったのに対し、臨済宗は時の武家政権に支持され、政治・文化に重んじられました。 とくに室町幕府により保護・管理され、五山十刹(天下の官寺を朝廷主導で序列化し、官寺として国家の手で住持を補任し、皇帝と帝室の安寧を祈祷すると同時に、非課税の恩恵を与える制度)が生まれました。 その後時代を下り、江戸時代に白隠禅師によって臨済宗が再建されたため、現在の臨済禅は白隠禅ともいわれています。
【祝聖】しゅく‐しん
「祝聖(しゅくしん)」とは天皇の寿命無窮を祝い祈ることをいいます。
禅宗寺院では毎年の天皇誕生日と毎月1日と15日は朝のお勤めの際に特別なお経が読まれます。写真のお位牌はそのために祀っている位牌です。書いている文字は「今上天皇聖寿萬安」と書かれております。
これは天皇陛下の聖寿無窮を祝祷する法要であり、今上天皇の健康を祈りその時代が平和かつ永遠に続くように願う儀式を行っているわけです
そのため禅宗寺院の本堂の中心には今上天皇の御位牌が安置されており、そこには檀信徒や国民の平和も願う文字も刻まれております
天皇家というと神様に通じるイメージが強いですが、日本も昔は神仏習合で神様と仏様を区別せず私達を見守る存在として一緒に祈りを捧げていました。
そのため、お寺においてもしっかりと天皇家の長寿を願い、日本の国家のために仏教のお経をお唱えしていた歴史があります。