観音堂(十一面子安観音菩薩)
平成23(2011)年3月11日の東日本大震災で観音堂が被災したため解体を余儀なくされましたが、平成27年に新しい観音堂が完成し、同年3月22日に落慶式と共に法要が執り行われました。
傑山寺観音堂には十一面子安観世音菩薩像が安置されています。 十一面子安観世音菩薩は、子供をあらゆる危険や苦しみから救ってくださる観音様です。 安産祈願・水子供養・家内興隆などの願いも成就します。
この十一面子安観世音菩薩像は、かつては武縁寺(白石市中町)に奉られ、人々に信仰されていました。 (※武縁寺は普化宗の寺院で、普化宗とは中国の普化禅士を開祖とする禅宗の一つです。普化宗は、尺八や虚無僧で知られています。)
明治32年5月14日の白石大火で武縁寺のお堂が焼失。観音様は柿の木の股木に飛び乗って難を逃れたと言われています。
その後、大正9年8月に同じ禅宗寺院である傑山寺に奉納され、大正11年に傑山寺境内に観音堂が再建されました。
観音信仰は傑山寺でも盛んで、戦前には盛大なお祭りも行われ、子宝・安産祈願、産み分け祈願の紅白枕も評判でしたが、戦火が激しくなった昭和17年からはお祭りも中断し、その後は観音信仰も途絶えていました。
平成に入って傑山寺観音祭りが再開され、 毎年、十一面子安観世音菩薩様の御開帳法要の日には、傑山寺境内で灯篭流しも行われます。
さらに傑山寺の「紅白枕」も復活し、現在に至ります。 観音堂には、子宝に恵まれると言われる「紅白枕」も奉納されており、人々の信仰を集めています。